北海道牧場紀行

辻牧場編?Ｐａｒｔ??

　エンキャンタドゥの07（牡、父キングカメハメハ、２月９日生まれ）は生まれが早い点、子出しのいいキングカメハメハ産駒ということを差し引いても、実に見栄えのする馬体をしている。

　「現３歳に半兄となるアドマイヤバロン（牡、友道厩舎）がいるのですが、馬体の良さは共通のものがありますね。アドマイヤバロンも柔らかみのある動きをする馬でしたが、この１歳馬も身のこなしがいいのでこれからの成長が楽しみです」と辻牧場の中期育成スタッフの期待も大きい。

　近親にはブライアンズタイムの名前もある良血馬であり、将来的には種牡馬となれるような活躍を期待したい。

　エスジーナタリーの07（牝、父アッミラーレ、３月28日生まれ）は、３勝を挙げた母を始めとして、近親馬はコンスタントに成績を残している堅実な牝系。「母のエスジーナタリーはこの牝系で母父もフォーティナイナーということで、繁殖としての期待は大きいです。この馬は顔こそ母に似ていますが、馬体の印象からは父が出ていますね」とスタッフ。

　エスジーナタリーの07の馬体に大きな影響を及ぼしているというのが、浦河のイーストスタッドにけい養されている父のアッミラーレである。

　初年度産駒の評判を聞いた地元浦河の生産者が、産駒のデビュー前に急きょシンジケートを結成。それぞれの牧場が良質の繁殖牝馬を配合して生まれたのが、この１歳世代になる。

　すでに中央では初年度産駒が勝ち上がったように、期待通りの産駒実績を残しつつある。今年デビューの２年目産駒も楽しみだが、繁殖牝馬のレベルがグンと上がったエスジーナタリーの07を始めとする３年目産駒たちは、大活躍してくれることになりそうだ。

2008年02月02日