馬三郎25時

後藤孝男

シャドーロールを着けない国枝厩舎の気になる馬は…

　調教開始時はもうだいぶ気温が低くなり、ケイコに騎乗するジョッキーや助手たちの服装も厚着になってきた。厩舎ジャンパーは暗い時間帯でも目立つので、視力の衰えた筆者にとっては大助かりだ。
　そんな中、気になることが…。国枝厩舎といえば、何といってもシャドーロールである。厩舎のトレードマークにもなっているのだが、１頭だけ着けていない馬がいる。タカラトゥルー（３歳１０００万下、牡）だ。軍団で坂路を登ってくると、シャドーロールを装着していないタカラトゥルーがいや応なく目立ってしまう。
　「あの馬はね、シャドーロールを着けると頭が低くなり過ぎてしまうので、走るバランスが悪くならないように外したんだ」と国枝師は説明してくれた。もともと頭の高い走法の矯正や、首の上下動を利用して体全体を使うフットワークへの矯正効果があるという。しかし、タカラトゥルーに関しては、着けることが逆効果になってしまうようだ。
　以前は頼りなかったが、今では追い切りの動きも他馬より大人びて見える。とにかく大きな魅力を感じさせてくれる馬である。１０００万に昇級後も安定した走りを見せており、今週は初めて京都に遠征。関西馬を打ち倒してほしいと期待している。
（美浦時計班・後藤孝男）

2007年10月26日