馬三郎25時

松永篤

相性のいい有馬記念、今年の狙いは？

　調教スタンドで「好きな馬は？」という話題になった時、ふと考えてみると純粋に?好き?な馬がいなくなって久しいと思った。
競馬を見始めたころは、スポーツ新聞の『天才少女』というフレーズひとつでノースフライトにほれ込んだほどで、「思春期の中学生かっ！」と突っ込みたくなるようなことがあった。さらに、初めて購入した某競馬週刊誌の成績欄の『デビュー戦、大差圧勝』を見ただけで、チョウカイキャロルのファンになった。
なかなかのビギナーズラックだったが、その後の「恋した牝馬」たちではいい思いをしたことがない。財布の都合で的中馬券を削ってしまったり、仕事で馬券が買えずじだんだを踏んだり、こん身の１点勝負が１着３着になったり…いつも「自分にはバクチの才能がないなあ」と嘆いていた。
ただ、そんな時期でもスマッシュヒットもあった。２カ月も前から「２着はタイキブリザード」と決め、相手を探すだけだった95年の有馬記念だ。当時はウインズのない石川県に住んでいたので、中山まで遠征してマヤノトップガンとの馬連を仕留め、楽しい正月を過ごしたのを覚えている。
今年、あのタイキブリザード（単勝10・４倍、５番人気）と似たような雰囲気を感じているのがポップロック。残り１週間、じっくり相手を吟味するつもりだ。
（美浦時計班・薮内伸年）

2007年12月14日