馬三郎25時

土屋景

もうけるより、負けないことが重要かも…

　古くからの知人に“鋼鉄の心”を持つＫという男がいる。素性など詳しいことは言えないが、そのＫはなんと９年連続で馬券年間収支が黒字というから恐れ入る。いったいどんな買い方をしているのか。ここでちょっと触れてみたいと思う。

　勝負するのは１日厳選２、３レース。馬券の種類は複勝のみで、しかも狙いは最低１３０円、中心は２００円前後。そこへドッカーンとブチ込むのだ。情報やオッズ、他人の意見などに惑わされない“鋼鉄の心”がなければできない芸当と言える。

　Ｋは合法だけでなく、闇の非合法ギャンブルにも精通している。あらゆる経験をし、苦難を乗り越えながら悟ったのが、この買い方なのだ。「無駄金ゼロで元金が倍になればＯＫ」がモットー。だからこの９年、競馬以外はすべてやめたという。

　08年に入っても相変わらず好調らしい。最もしびれたのは１月６日の京都11Ｒ・門松Ｓのスリープレスナイト（２番人気、２着、複勝２００円）で、最も多く買っていたのは京都金杯のアドマイヤオーラ（１番人気、２着、複勝１４０円）とのこと。いったいいくら買っていたんだろうか。

　ちなみに、口ぐせは「もうけなくていい。負けたくないんだ」である。まあ、マネができるかというか、実行する人はほとんどいないというのが現実で、飲み会などでこの話をしても、ほとんどの人に笑われて終わりらしい。でも、私はこの買い方、最高だと思っている。

（編集部・土屋　景）

2008年02月11日