馬三郎25時

坂本卓也

リニューアル後の阪神はいまひとつ…

　低気圧の発達によって桜が一気に散ってしまい、残念ながら今年はぼんやりと眺めることさえできなかった。ただ、今になって考えると、桜の花の散り方があの桜花賞と皐月賞の大波乱を予言していたのかもしれない…と思うのは考え過ぎだろうか。

　話は変わるが、阪神コースがリニューアルされて以来、ずっと感じていることがある。それは新潟や東京競馬場同様、安全性を重視したコース設計になっていて、意外性や面白みが欠けてきていることだ。そのあたりをジョッキーたちに聞くと「確かに馬を伸び伸び走らせるにはいいが、スローペースの上がり勝負になりやすいから、見ている方はつまらないかもしれないね」という答えが返ってきた。さらに「トリッキーなコースがあるからいろいろな技術が身につくし、少し前まではそのコースに変わると別馬のような走りをする名物馬もいたよね」とその話題でかなり盛り上がった。

　一番興味深かったのは、「以前の桜花賞は、大外枠を引いた時点で絶望視されていたけど、人気馬がそこを引いたらオレの馬にもチャンスがあると燃えたものだし、逆にそこを引いたら引いたで、どうにかしてやろうといろんなことを考えていたね」という蛯名騎手の話だった。あのエフティマイアをオークスではどう操るのか…今から楽しみだ。

（美浦想定班・坂本卓也）

2008年05月02日