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馬三郎25時

ブラックタイド産駒に夢かける

 悲運の馬だった。ブラックタイドが1日付けで現役生活にピリオドを打った。“7冠馬ディープインパクトの全兄”として知られているが、デビュー当初はクラシック級の素材として、高い注目を集めていた。スプリングSで重賞初Vを成し遂げると、皐月賞では2番人気に支持された。しかし、結果は16着。レース後に左前浅屈腱炎を発症し、2年以上に及ぶ長期休養へ。何とか復帰はしたが、勝てずに終わった。復活を信じた記者は何度も◎を打った。好きな1頭だった。

 担当の市川厩務員もしみじみと振り返った。「もう1回、重賞を勝ちたかったね。クラシックをリタイアしたときはショックだった。目の前が真っ暗になったね。皐月賞よりダービーと思っていたからね」。大物感を漂わせた迫力のある馬体。期待が大きかった分、残念な思いも強かった。

 ディープインパクトも担当したが、素直な弟と違い、兄はサンデーサイレンス産駒らしい激しい気性の持ち主だった。「ディープはやりやすかったけどね。かみつくし、ひと筋縄ではいかなかった。でも、すごくやりがいがあったね」。手がかかるほど、活躍したときの喜びはひとしお。数々の名馬に携わってきた市川厩務員の心に、ブラックタイドの名は深く刻み込まれている。

 今後は北海道日高町のブリーダーズスタリオンステーションで種牡馬になる予定。「血統もいいし、ディープの兄貴だから。いい子を出すと思う」。市川厩務員は産駒の活躍を楽しみにする。父が果たせなかったクラシック制覇へ。記者も名馬が誕生することを信じている。

(関西デイリー 中江 寿)

2008年08月12日