馬三郎25時

文元仁

午後の調教コースの意外な利用法

　毎週、水曜日の朝ともなると、競走馬や厩舎関係者、競馬記者などでごった返している南馬場の調教スタンド。ちょっと忘れ物をしてしまったので、午後にスタンドまで取りに行くことにした。

　この業界は?朝が勝負?が定説だ。午後になると、スタンド付近には猫の子一匹いない…と思いきや、ふと窓の外を眺めると、芝コースで黙々と走り込みを続けている山本康志ジョッキーの姿があった。あのさんさんと太陽が照りつける中をだ。地面からの照り返しを考えると、軽?く40度は超えているはずだ。部屋にガンガンと冷房を効かせていないと寝ることさえできない筆者がまねをしたら、１ハロンも持たずにバッタリと倒れ、救急車が呼ばれることは間違いないだろう。

　このことを親しい厩舎関係者に聞いてみると、午後はコースが開放されていて、トレセンに入れる人間ならば誰でも足を踏み入れることができるとのこと。山本騎手のランニングだけでなく、散歩などに利用する厩舎関係者は意外と多いらしい。

　「そんな貧弱な体じゃあ海へ行ってもモテないぞ」と言われてしまったように、筆者は慢性的な運動不足に悩まされている。涼しい秋になったら、ひそかにランニングでも始めようかと思っている。

（美浦時計班・文元　仁）

2008年08月15日