馬三郎25時

武山修司

あの馬にも心が“高揚”する走りを見せてほしい

　人と馬を比べるのはナンセンスかもしれない。しかし、北京オリンピックでのウサイン・ボルト選手の走りを見た時、思わずサラブレッドの走りと重なって見えた。しなやかさに加え、バネの利いた大きなストライドで一瞬にして他の選手を突き放す瞬発力は、「美しい」の一言。

　ここ１年くらいは競馬で心が“高揚”するようなレースを見つけることがなかったのだが、まさか人間のレースでそういう気持ちになるとは…。まだ見ていない人はぜひ見ていただきたい。それは、人の形をしたサラブレッドの走りです。

　ちなみに、衝撃とはいかないまでも福島でかなり強い勝ち方をしたダノンベルベールは芙蓉Ｓ(10月４日・中山)での復帰が濃厚。こちらは、しなやかというより力強い走りをするタイプ。かなりの出世が見込める馬だけに、心が“高揚”するようなレースを期待したい。

（美浦想定班・武山修司）

2008年08月21日