馬三郎25時

武山修司

大人びた田中博騎手の活躍を期待

　自分の意見が一番正しいと思ったことはあまりないが、たまに意味もなく人の意見に反発してしまうことがある。妙に的を射たものや冷静過ぎる口調のもの、そして、意味はないがとりあえず…なんてときも昔はあった。

　頭の中では納得しているものの、どこかに“あら”はないかと重箱の隅をつつくような突っ込みを入れてしまう。読者の方々も思い当たる節やそんな経験はないだろうか？そして、そのたびに「もういい年齢だし、人の意見を聞く耳を持たなくては…」と心に誓うのだが、ついつい口を出してしまう。

　先日、若手のホープ・田中博康騎手と話をしていると「僕は騎乗する際、その馬に携わっている人の意見はもちろんですが、外から見ている第三者の意見も聞くようにしています。やはり自分だけの意見だと、どうしても偏りができしまうので…」という耳が痛い意見を口にされ、思わず反発しそうになった。さすがに20近く年齢が下の若者相手に情けないと思いグッとこらえたが、「よくもこんな考え方ができるものだ」と感服させられた。

　その田中博は今週から札幌で騎乗予定。開催途中からの参戦は決して楽な条件ではないが、これだけ大人びた考えを持つ彼がどんな活躍を見せてくれるか、楽しみで仕方ない。

（美浦想定班・武山修司）

2008年09月12日