馬三郎25時

後藤孝男

今から待ち遠しい双子兄弟のデビュー

　今年も新しい騎手候補生がトレセンで騎乗を始めた。赤と白の染め分け帽の下からあどけない顔をのぞかせながら、みんな一生懸命に調教をこなしている。

　２週間前まで国枝厩舎に国分優作という騎手候補生がいた。今春、マイネレーツェルがフィリーズレビューを勝ったとき、某競馬週刊誌に掲載された口取り写真に国分君が写っていた。

　「阪神に行ってたの？写真に写っていたよ」
　「あれは弟なんですよ。僕、双子なんです」

　双子を持つ親としてはこの言葉を聞いて一気に親近感を覚えてしまった。今は２人とも競馬学校に戻り卒業に向けて頑張っているところだが、先週、中山競馬場のパドックで国枝厩舎の馬を引く彼の姿を目撃した。

　「日曜は学校が休みなので手伝いに来たんです」
　そのかいがあってか、国枝厩舎のマツリダゴッホが鮮やかにオールカマーを連覇した。さらにその前の週には、弟・恭介がいた五十嵐厩舎のマイネレーツェルがローズＳを快勝している。

　国分優作君がジョッキーになって、国枝厩舎の馬で重賞制覇を飾る、そんなシーンを早く見てみたいとつくづく思った。今からデビューを心待ちにしている。

（美浦時計班・後藤孝男）

2008年10月03日