馬三郎25時

竹村浩行

競馬にも役立ててほしい新技術

　皆さんは?ＣＡＳ（キャス）冷凍?という技術をご存じか？従来のものとは全く異なった冷凍技術で、冷凍・解凍時にほとんど細胞を傷つけないのが大きな特徴だ。

　ひとつ例を挙げると、和の鉄人として有名な道場六三郎氏に、２年前に冷凍し、ついさっき解凍したばかりの金目鯛を見せた。もちろん冷凍物ということは内緒だ。すると「とてもいい魚だね。これなら刺身で食べてもおいしいだろう」と言わしめたのだ。この画期的な技術を使えば、将来的には賞味期限というものがなくなるとまで言われている。

　もともとは医療のために開発されていた技術。臓器の保存も従来の何倍も長持ちするというから驚きだ。ここでふと思った。それなら遺伝子（精子）も長期保存できるのではないか？いや、自分のアレを保存しようなんて思っていませんよ。もちろん?馬?のである。

　現時点では人工授精で競走馬を生産することは禁止されている。しかし、種牡馬生活に入って間もなく死亡したエルコンドルパサーや、レース中の事故でこの世を去ったサイレンススズカなど、彼らの子なら誰も文句は言うまい。むしろ、ファンなら見てみたいはずだ。

　まあ、実現にはさまざまなハードルがある。しかし、おせっかいと言われようとも、いまのうちにディープインパクトの?アレ?は保存しておくべきでは…。

（美浦時計班・竹村浩行）

2008年11月01日