馬三郎25時

加藤剛史

関東№１牡馬は…

　競馬業界に携わっていれば、長期の休みがないのは当たり前。元旦に追い切りがあるといってもそれほど苦とは思えないのだが、一年の区切りがつかないまま有馬記念→金杯と年を越すのが何となく気持ち悪い。

　「年明け１発目の競馬だから是が非でも当ててやる！」とか「今年こそ馬券収支を大幅黒字に」とか、毎年、年頭にはそれなりのやる気も出るのだが、08年→09年ばかりはそのままダラダラッと行ってしまう気がしてならない。

　ということで、まだ元気で気持ちが入っている今のうちに、期待の若駒を紹介しておくことにする。

　関東№１牡馬と確信しているストロングリターン（父シンボリクルシエス×母コートアウト・牡・堀厩舎）は、11月15日に２戦目の未勝利戦（東京芝１６００ｍ）を快勝。破壊力抜群の瞬発力の持ち主で、馬体の良さは別格。折り合い面が上達すれば、ダービーの主役候補になる。

　マジカルブリット（父アグネスタキオン×母ウィッチズハット・牡・戸田厩舎）は５００キロを超える大型馬だが、重苦しさが一切なく、脚が長くて胴も長め。１番人気に支持されたデビュー戦は７着に敗れたが、距離と馬場が合わず競馬にならなかっただけ。距離延長＆広々とした東京なら激変するはずで、大勝負する予定。

　牝馬ではピースエンブレム（父ウォーエンブレム×母ヴァンドノワール・牝・小島茂厩舎）。初ダートとなった３戦目に初勝利を挙げたが、芝＆ダート問わず長めの距離なら牝馬トップクラスだと思っている。オークスではブエナビスタと馬連１点で買うつもりだ。

　クリアソウル（父アグネスデジタル×母キャトルセゾン・牝・斎藤誠厩舎）は４戦して未勝利だが、ここまでは相手関係と展開に泣かされていただけ。マイルまでがギリギリだが、ダートもこなせる父譲りのパワーを兼備している。ポンポンと２勝は簡単に挙げられるはずだ。

（美浦時計班・加藤剛史）

2008年12月28日