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馬三郎25時

心温まる奇病を克服してのV

 人と馬とをつなぐ、心温まる話を聞いた。今週行われるフェブラリーSの前哨戦・根岸Sを制したフェラーリピサ(牡5、栗東・白井厩舎)がその主人公だ。

 ご存じの方も多いと思うが、同馬は昨年9月のエルムS快勝後に、原因不明の顔面まひを発症。秋に見据える大舞台を前に、休養を余儀なくされた。その後、スタッフの献身的な介護のかいがあって、2月の根岸Sでカムバック。そして見事に復活を果たした。

 奇病を克服してのV。白井師は「あきらめかけていた時期もあったからね。奇跡に近いというか…正直、驚いたよ」と愛馬の激走に感心しきり。レースは好位から抜け出す“横綱相撲”だったが、「あとで冷静になってVTRを見たら、口が締まらずに、舌をベロ?ッと出しながら走っていた。よく走ってくれたよ」と改めて健闘をたたえた。

 レース後、師のもとには数通の手紙が送られてきたという。「“わたしも顔面まひで苦労しています”という方からの手紙だった。“これから頑張ります”とか“勇気を与えてもらいました”と書いてあってね。結構、反響があったよ」。同じ病で苦しんでいるフェラーリピサが、懸命にゴールを目指している…その姿に心を打たれたのは、競馬ファンだけではなかった。

 厩舎へ出向き、担当の橋本助手のもとへ。彼とは10年来の付き合いだ。「大変でしたね」と声を掛けると、「まあね。でも回復を待つだけだったから」と表情はクール。唇がまひしているため、カイバをボロボロとこぼしていたという話を聞き、再び「大変でしたね」と尋ねると、「でも太め残りが心配だったから。かえって良かった」とサラリ…。“病は気から”と言うが、彼のポジティブさが馬の回復を早めたのかも。前向きな姿勢で苦難を乗り越えたこのコンビなら、大仕事をやってのけるかもしれない。

(関西デイリー・松浦孝司)

2009年02月17日