馬三郎25時

紺谷和彦

春競馬で思い出される出来事

　すっかり暖かくなり、競馬シーズン到来といった気候になった。さて桜花賞や皐月賞も終わり、今週はいよいよ天皇賞・春。東京ではダービートライアル・青葉賞が行われる。この２つのレースで個人的に思い入れがある馬がいる。

　それはゴールデンアワーとゴールデンゼウスの兄弟。 兄のＧアワーは92年の大阪杯でトウカイテイオーの２着に入り、勇躍。天皇賞・春（勝ち馬・メジロマックイーン）に出走した。結果は８着と振るわなかったが、一線級相手に善戦したことを今でも鮮明に記憶している。その後にも新潟大賞典を制するなど息長く活躍した。

　弟のＧゼウスは92年の青葉賞を勝ってダービーでも４番人気（勝ち馬・ミホノブルボン）に支持されるなど期待されたが、11着に敗れた。レース後に故障を発症し、そのまま引退と決して満足のいく競走生活ではなかった。この兄弟の主戦だったのが故・岡潤一郎騎手。華麗なフォームで多くのファンを魅了し、これからという矢先、落馬事故で命を落としてしまった。毎年、春先になるとこの兄弟の雄姿と若くして散ってしまった若武者の姿を思い浮かべながら、競馬観戦をしている。

（編集部・紺谷和彦）

2009年04月27日