馬三郎25時

武山修司

情報開示が成功のカギ

　４月27日の月曜日、ＪＲＡ主催の第５回ブリーズアップセールが中山競馬場で行われた。昨年は２歳王者・セイウンワンダーを輩出した当セール。ただ、未曾有の大不況と言われている昨今、一体どんな結果になるのか、多くの関係者が見守っていた。

　しかし、ふたを開けてみれば総売上こそ２年目には及ばなかったが、超が付く盛況ぶりで、再上場された馬もすべて完売、売却率は驚異の100％となった。

　この要因はどこにあるのか。ある調教師に聞くと「悪癖や内視鏡検査など、情報開示がしっかりしているから安心できるのだと思う。それに、ＪＲＡ主催というのも買いやすいのだろう」と話していた。確かに安い買い物とは言えないサラブレッドだけに、安心感というのは非常に大事な要素だ。ある程度の情報をセリ馬で公開すれば、現地で下見してない人でも買いやすくなるのは間違いない。しかも「購買された馬は入厩までの滞在費、輸送費が無料なんだよ」とのこと。これはＪＲＡが主催だからこそできる利点だろう。

　ただ、北海道の牧場関係者は「盛況なのはいいことだが、僕らにとって大事なのは５月11、12日に行われるセリ。この勢いが続いてほしいね」と話す。やはり競馬の基本は生産だけに、再来週のセリ市もぜひ成功してほしいものだ。

（美浦想定班・武山修司）

2009年05月01日