馬三郎25時

森元要輔

美浦トレセンにも分煙の波が…

　今週水曜日。調教開始時間が先週より３０分早くなったことで、いつも以上にだるい体を奮い立たせながら、トレセン・スタンドに到着すると、こんな張り紙が目に飛び込んできた。

　「禁煙にご協力を」

　何でも調教師席（南スタンド２Ｆ）などが近日中に禁煙になるとのこと。全くたばこを吸わない記者にとっては大歓迎なのだが、愛煙家の先生方は早くも困惑の表情を浮かべている。中でも、一日３箱を吸うというＳ師は納得がいかない様子。話題を振るや否や筆者に思いの丈をぶちまけてきた。

　「たばこは頭をすっきりさせるのに最適なのですよ。昔の小説家はみんなヘビースモーカーだったと言いますしね。調教師は小説家じゃない？いやいや。調教は立派な芸術ですよ。１カ月後の馬の状態をイメージできない馬乗りは、馬乗りとして下手くそです。いつも未来予想図を描きながら調教しているわけです。発想や切り替えにたばこは欠かせないのですが…」

　普段はスマートで怒ることはない調教師として知られるＳ師だが、この時は珍しくエキサイトしていた。世界的に議論されている「たばこ問題」がついに美浦トレセンに上陸した形だが、果たして今後、Ｓ師の叫びが届くのか？大きな進展があり次第、この場を借りて報告したい。
　
　　　　　（美浦時計班・森元要輔）

2009年05月07日