馬三郎25時

玉川祝

新人記者にも丁重に応じてくれた保田隆芳元調教師

　１日の夜に保田隆芳元調教師が亡くなられた。競馬界に偉大な功績を残した方が、また１人この世を去ってしまった。

　保田先生と知り合ったのは、記者になりたての２０年前。当時は右も左もわからない新人記者の筆者であり、「今聞くな！バカヤロー！」はいい方で、完全無視を決めつける明治?大正生まれの頑固者の調教師が多く取材に苦慮することが多いなか、保田先生だけは違っていたのをよく覚えている。鼻たれ新人記者にも丁重に応じてくれたし、今思えばへんてこな質問に対しても怒ることなく答えてくれた。本当にやさしさを感じる人だった。

　息子さんで現調教師の保田一隆師とは付き合いが深いので、時々大テキ（隆芳氏）の話になることがある。その口調はいつでも父に対しての「尊敬」を感じるもので、「うちのオヤジはよ?」みたいな内容は聞いたことがない。騎手として、調教師として、あれだけの実績を残しているから当たり前ではあるが、いくつになっても「自慢の父親」だったのだろう…。ご冥福をお祈りします。

（美浦想定班・玉川）

2009年07月05日