馬三郎25時

藤田浩貴

阿蘇山での思いがけない再会

　関東出身だけに、小倉出張中に縁遠い九州を満喫しようと、いろいろなところへ足を伸ばし、鹿児島以外の県はすべて踏み入れることができた。３日には阿蘇山へ行き、グリーンヴァレーという乗馬クラブで騎手デビューしてきたわけだが、そこで?まさか?の出会いがあった。

　それは牧場スタッフが馬の紹介をした時のこと。「いろいろな種の馬がいるけど、このサラブレッドは父がグラスワンダーで、妹はＧ?馬のエイジアンウインズなんですよ」と聞きピンときた。「まさかウインストライダーですか？」と聞くと「そうです。どうして分かったんですか？」と驚かれた。ウインストライダーは屈腱炎で大成できなかったが、まともなら重賞を勝てたと思っている。

　現役時の張りや毛ヅヤはもちろんなく、まさに乗馬といった感じ。「普通、サラブレッドを乗馬にするには脳から変える必要があるので大変だが、この馬は性格がおっとりしているし、腱を痛めて走るのが嫌になっていたので乗馬になれる要素を持っていた。競走馬としては一流になれなかったけど、いい余生を送っていると思いますよ」とスタッフは話していた。

　まさか、こんなところで会えるなんて…変な言い方だが、生きているとさえ思ってなかっただけに、なんだか妙にうれしかった。

（栗東想定班・藤田浩貴）

2009年08月08日