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馬三郎25時

個性が薄れた競馬界に感動はあるのか

 先日、夏休みを利用して北海道浦河町まで旅行した。レンタカーを借りて、海岸沿いをひたすら走った。勢い余ってたどり着いた襟裳岬は、あの名曲の歌詞の通りだった(本当に何もなかった)が、北海道の澄み渡った空と広大な大地が、疲れた心を癒してくれた。

 浦河で1泊し、2日目は牧場巡りへ。イーストスタッドへ出向き、タイキシャトルやメイショウドトウなどを見学。大満足だった。だが、一番感動したのは、同スタッドに“スズマッハ”がいたこと。現在28歳。人に例えるなら百歳以上だ。

 しかもその大先輩は、一番遠い端からわたしを目がけて一直線。ついには目の前で仁王立ちした。老雄の突然のお出ましに、一瞬にして鳥肌が立った。そして、何かを訴えているように見えたのは気のせいか?そのとき、ふと思った。“果たしてスズマッハがまだ生きていると知っているファンは一体どのくらいいるのだろうか?”。

 最近はドライな考え方の人達が増えた。わたしの周りにも「ギャンブルが好きであって、競走馬には興味がない」なんて人がざらにいるし、厩舎関係者ですら「ビジネスですから」とクールに話す。競馬界はこのままで良いのだろうか?何でもかんでも“売り上げ(お金)優先”では、ファンの心に感動は響かない。

 競馬の主役は何よりも“馬”だ。自転車でも、舟でも、パチンコ台でもない、生き物だからこその魅力が競馬にはある。売り上げ優先の今のシステムでは、人も馬も“個性”が育たず、競馬特有の“味”がどんどん薄れていく。「このままでは真の競馬ファンがいなくなる」とルドルフ世代の名脇役が、私を介して警鐘を鳴らしているような気がした。

(関西デイリー・松浦孝司)

2009年09月15日