馬三郎25時

安里真一

腰が武器です

　先日、クシャミをした瞬間にぎっくり腰を発症。全く身動きが取れず、左足に流れる電流。十数年前の悪夢がよみがえる。リキ・ラリアットからのサソリ固め。いや、違う。椎間板（ついかんばん）ヘルニアからの座骨神経痛だ。痛い、痛すぎる。あれから２週間、腰の痛みはほとんど取れたが、左足のしびれは残ったまま。いまだ歩様がスムーズではないが、トレセンの人たちは優しく声をかけてくれる。

　「その歩様、馬なら出走取消ですよ。もう人生を折り返しているんだし、無理しちゃダメ。引退したらどうですか」とはＨ騎手。

　「オレの教えてやった痛み止めの注射を打ってきたか？まだなのか？なにやってるんだ。早く行って来い！」と最後は怒って命令口調になっているＯ調教師。

　Ｆ調教師に至っては「北海道での悪行を悟られないために、嫁さんのご機嫌取りに連日連夜で腰を酷使したんやな。ムフフ」と完全な深読み。アンタ、いつもそんなことしてんのか？と、逆にこちらが勘ぐってしまった。

　夢と欲望が渦巻く栗東トレセン。そこには愛情あふれる人たちがいっぱいいる。来週以降もこの腰痛を武器にオイシイ情報を入手したい。

（栗東想定班・安里真一）　

2009年10月11日