馬三郎25時

城谷豪

面白いものさえ提供すれば集客力は上がる！？

　シーズン３位からクライマックスシリーズで西武、ソフトバンクを下してパリーグ代表となると、セリーグ代表の中日との日本シリーズを４勝２敗１引き分けで制し「史上最大の下克上」を完結させ、05年以来となる日本一の座に着いた千葉ロッテ・マリーンズ。ロッテファンの筆者とすれば喜ばしい限りだが、それ以上に興味を覚えたのは、この決戦における世間の評価である。

　シリーズ前には『中日ＶＳロッテなんて誰が見るねん』との声や、全国ネットで放送されないなど厳しい状況下だったが、延長15回引き分けを始めとする熱戦が、野球ファンだけではなく多くの一般視聴者の心をつかみ、第７戦は20％を超える視聴率をマークした。これは敵将の中日・落合監督が戦前に発した「野球の素晴らしさを伝えたい」との思いが、視聴者に見事伝わった結果だろう。

　ともに地元密着型のチームで、全国的な人気は阪神や巨人に比べて見劣りするものの、やはり面白いものさえ提供すれば集客力は確かだと言うことだ。競馬の世界でも同様のことが言えるはずで、毎週のようにＧ?レースがあり、有力馬が分散する現状より、大レースに好メンバーが集まりやすいレース形態に変えることが、ファンにとって魅力のあるコンテンツだと思えて仕方がない。

（栗東時計班・城谷　豪）

2010年11月21日