馬三郎25時

いまだクラシック候補とは出会えず

　子どもの運動会は毎年、欠かさずに有給休暇をいただいている。早朝のケイコを済ませ、途中参加した後に午後作業のために場を後にする同級生の父兄には後ろめたい気持ちもあったが、今年も子どもたちの頑張りを大いに堪能してきた。

　７段の跳び箱を軽快に跳ぶ姿。逆立ち歩きでゴールを目指す姿。かけっこで１着をとるために必死に走る姿。なぜか溢れ出る涙を抑えることができずに人目もはばからずに号泣。親子競技にて、気持ちが先走り、転倒してしまった際に子供から猛烈に非難を浴びてしまったことだけが心苦しいが。充実した１日を過ごせたことは有意義である。

　競馬でいうところの幼稚園の運動会＝新馬戦。近年は心ときめく新馬が現れていないのが寂しい限りである。先日の天皇賞・秋当日４Ｒ新馬戦。役者がそろった一戦と戦前はうわさされていたのだが…。心高らかに向かったパドックで逸材には出会うことができなかった。ダービー後５か月間、数千頭という２歳馬と出会ってきたが、いまだクラシック候補と推せる馬がいないのだ。

　ラストひと月の東京開催。新馬戦は出馬ラッシュが予想されるが、ここから大物が誕生しない限りは、翌年のクラシックもさみしい顔ぶれとなりかねない。

（美浦調教班・加藤剛史）

2013年10月30日