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世界の馬窓から

ヴィクトワールピサが真の世界王者になるには

 現地時間の3月26日に行われた世界最高賞金を誇るドバイワールドカップは、ヴィクトワールピサが世界の強豪を打ち破り優勝。トランセンドが2着に逃げ粘り、日本馬によるワンツーという歴史的な一戦となった。

 「(震災に)立ち向かう日本国民へ勇気を与えたい」という各陣営の姿勢を海外メディアが取り上げるなど、レース前から注目を集めていた日本馬。翌日の現地紙面では日本勢の初勝利に対し『快挙』『偉業』といったフレーズが踊った。

 これまでも多くのトップホースが挑戦してきたが、01年のトゥザヴィクトリーの2着が最高。10年の歳月を経て、ようやく日本馬が結果を出したことは、海外でも評価されている。

 その一方で「ペースが遅かったことが全て」という論調も多く見られる。レースを振り返ると、逃げたトランセンドを、早めに2番手に上がったヴィクトワールピサがゴール前で交わす前々での決着となった。「極端にペースが遅くなったからね。そのなかで、行きたがるそぶりを見せていた勝ち馬は、結果的にあそこで動いたことが良かった」(現地厩舎スタッフ)

 日本では“世界王者”的な扱いになっているが、海外ではそこまでの評価はされていないのも事実。「ワークフォースをはじめとする本当のトップクラスと対戦したわけではないからね。もちろん日本馬がそのレベルにあることは分かっているが、それらの馬に勝ってこそ王者だ」(前出スタッフ)

 今後、欧州での王者決定戦が実現することになるのか―。世界中の注目が集まる。

2011年04月02日