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世界の馬窓から

3年連続で米年度代表馬を所有したオーナーが死去

 07、08年のカーリン、09年のレイチェルアレクサンドラと、3年連続で米年度代表馬所有していたオーナーとして知られるジェス・ジャクソン氏が、4月21日にがんのため81歳でこの世を去った。

 『ケンダル・ジャクソン』というリーズナブルなクラスに属するワインで成功を収めたため“ワイン王”と称された同氏だが、もう一つ“裁判好き”としての顔も知られている。「競馬だけに限らず、さまざまな分野に渡って、数えきれないくらいの訴訟を起こしてきた。“ミスター裁判”と評されたこともあるくらい、裁判好きだったんだ」と現地競馬関係者は話す。

 2頭の年度代表馬はともに現役途中でのトレードでオーナーになったが、カーリンについては裁判にまつわるエピソードがある。

 カーリンの前オーナーの弁護士たちが、原告への損害賠償を支払わず着服したとして訴えられ、カーリンが財産の一部として差し押さえられるという事態になったのだ。その後の“ミスター裁判”へのトレードは「運命」だと揶揄(やゆ)された。

 カリフォルニアにワイン帝国を築き上げ、次々と望みをかなえてきたであろうジェス・ジャクソン氏。しかし、父カーリン×母レイチェルアレクサンドラという、馬主冥利(みょうり)に尽きる夢の産駒を見ることはかなわなかった。

2011年05月14日