世界の馬窓から

２冠馬キャメロットの次走に世界中が注目

　２日（日本時間３日未明）、エプソム競馬場で第233回英ダービーが行われ、断然の１番人気に支持された英2000ギニー馬キャメロットが見事に２冠を達成した。道中はじっくりと後方で待機。直線で追い出されると一気に加速し、２着馬に５馬身差を付ける圧勝劇を演じた。

　２冠馬誕生は09年シーザスターズ以来３年ぶり36頭目。圧巻のレースぶりから現地では「同世代に敵なし」と評価されており、早くも秋以降の路線が話題になっている。３冠の最終戦セントレジャーに進むのか、それとも凱旋門賞など他のレースを目指すのか―。いまのところＡ・オブライエン陣営から正式発表はなく、あるブックメーカーでは、その選択そのものが賭けの対象として受け付けられている。

　近年、３歳の一流どころは斤量が有利な凱旋門賞へ向かう傾向が強く、「セントレジャーから凱旋門賞というローテーションも可能性としてはある。ただ、種牡馬としての価値を高めるという点からも、凱旋門賞が目標ということになるだろう」と関係者は口をそろえる。その一方で、70年のニジンスキー以来となる３冠の栄誉や、父モンジューという血統面から、距離の長いセントレジャーを使うという見方をする関係者も少なくない。

　久々にＡ・オブライエン厩舎から誕生した大物に、欧州競馬の注目が集まることとなりそうだ。

2012年06月09日