森岡健一郎

ダービーを糧に北の大地で大暴れ？

　先週の金曜日、ダービーを前に「何もかもが初めてなのでプレッシャーはありません。とにかく雰囲気を楽しんできます」と心境を語ってくれた北村友騎手。残念ながらダービー初騎乗初勝利はならなかったが、一流ジョッキーに交じってデビュー４年目の若武者が６着なら、むしろ上等と言えるだろう。

　だが本人は違うようだ。「向正面で折り合いを欠いて、調教で練習してきたことが本番で出せなかった。最後はよく伸びていただけに悔いが残ります」と、シェーンヴァルトの全能力を引き出せなかったことに反省しきり。「結果には満足していないけど、乗せてもらったことでダービーの重みが分かりました。来年もあの場所に戻れるよう今から走る２歳馬をチェックしておかないと」と緑ゼッケンに目を光らせていた。

　ジョッキーに厳しい松田国師が「騎手の腕が出やすいローカルで、しっかり結果を残しているあたりは大したもの。それだけ、レース運びがうまくなっているんだろうね」と珍しく賞賛したほど、周囲の評価も日に日に増している。

　来週には騎乗馬の調教をつけるため、ひと足早く札幌入り。ダービー騎乗という貴重な経験を積んだ彼が、東西の上位ジョッキーが集う札幌競馬でどんなパフォーマンスを見せてくれるか、今から楽しみだ。

（栗東想定班・森岡健一郎）

2009年06月06日