木村拓人

おじさん、おめでとう

　安田記念。この日は仕事が休みだったため、一般席でまったりと観戦。

　メーンレースの直前、比較的すいている馬券売り場で馬券を買うと、隣の機械から「このレースの投票は締め切りました」との声が聞こえ横を見ると、あせって取消ボタンを連打するおじさんが。まだ安田記念は時間に余裕があるはず、と失礼ながらも画面を見てみると……。

　東京３Ｒ　単勝?　金額１０００００円

　おおっ！！１０万もの大勝負！！！そりゃあせってボタンの連打もしたくなる。しかし、東京３Ｒ？ああ?！

　買った馬券は単勝?ウオッカ。きっと大きい勝負だったのでマークシートを塗る時から「３…、３…」と全神経が「３」に向いていたのだろう。気持ちは分かるだけに少しニヤニヤしてしまった。

　表情は見なかったが、その行動からおじさんにとっても相当な勝負だったに違いない。その後をつけてそのまま様子をうかがう…なんてことはなかったが、きっと最後の直線は寿命が縮む思いで見ていたのではないだろうか。見知らぬおじさん、おめでとう。

（美浦想定班・木村拓人）

2009年06月11日