工藤修

レープロの見えざる力

　ダービーの後、レーシングプログラム中の記事にがく然としたのは記者だけではないだろう。それは「お知らせ」と「レース結果」の奇妙な一致である。今回はこの件に触れてみたい。

　レーシングプログラムの６?７ページに、過去10年の成績表とともに今年の話題が書かれていた。その一部に漫画のイラストで、さりげなく今年のダービーのテーマが記されていた。そのテーマとは「好タイム皐月賞馬のダービー成績」と「皐月賞２けた着順からのダービー優勝馬」だった。

　だがこのコーナー、見方によっては予想記事ではないだろうか。なぜなら、このタッチは２ページ中そこだけ。ズバリピックアップされているのはアンライバルド、ロジユニヴァース、リーチザクラウンのみ。この３頭の馬連を買っていればよかったのだ。

　さらにそれ以上だと感じたのが、裏面のサマーシリーズのキャンペーン広告。そこには昨年の各チャンピオンが掲載されていたわけだが、何と最終12Ｒ・目黒記念の優勝馬が写っているではないか…。

　今週木曜、札幌でケイコをつけていた北村友騎手に「ミヤビランベリ、強かったね」と声をかけると、「思っていた以上に伸びてくれたんですよ」と返ってきた。もちろん偶然だろうが「見えざる力、本当に恐るべし」と痛感した。

（美浦想定班・工藤　修）

2009年06月12日