良質な情報を足で稼ぎます

　予想のファクターはデータ、調教などさまざまあるが、記者の場合は陣営のコメントとムードに重点を置いている。すべての話をうのみにするわけではないが、勝負になる話を聞き、予想が的中したときは何事にも代え難い喜びだ。スプリンターズＳは中山競馬場に出張して、ギリギリまで取材。陣営の感触とムードが一番良かったビービーガルダンに◎を打ち、レースを静かに待った。

　１センチが明暗を分ける、死闘だった。藤田の気迫が乗り移ったように、逃げ切りを図るローレルゲレイロ。４角で２番手に進出し、早々と並び掛けるガルダン。長い写真判定の末、ゲレイロに軍配が上がったが、ゴールした瞬間、現場にいた記者もどちらが勝ったのか、全く分からなかった。

　記者も力が入った。ただ、少しの間だけ。馬券は◎ガルダン、○アルティマトゥーレとの３連単２頭軸マルチ。ゲレイロには△を打っていたので直線では“できた！”と腰が浮いたが、伸び切れないアルティマを見て腰砕けになってしまった。

　今回、記者の予想を参考にしてくださった読者の方から、外れたにもかかわらず「楽しく見ることができました。これからも頑張ってください」とハガキをいただいた。本当に励みになる。今週は秋華賞。栗東トレセン内を歩き回り、いい情報、予想を提供していきたい。

（関西デイリー・中江　寿）

2009年10月13日