森岡健一郎

驚異の成長力で頂点へ

　勝負ごとに「運」「流れ」はつきもの。ちょっとしたことでこの歯車が狂ってしまうと、修復するのにとてつもなく時間がかかってしまう。今の当方はまさにそれ。何をやっても裏目裏目で、肝心の馬券も即リサイクルボックスへ回収される始末。完全に負のスパイラルに陥っている。

　そんなマイナスオーラ漂う当方とは対照的に、連勝街道を突き進んでいるのが佐藤正厩舎のワンダーアキュート。好メンバーが顔をそろえた先週の武蔵野Ｓを完勝。シリウスＳに続く重賞勝ちで、一躍ＪＣダートの主役候補に名乗りを上げた。ちなみに同馬は今年の１月デビュー。たった１年足らずでここまで勝ち上がるのは至難の業で、担当の並床助手も「デビュー当初から素質は感じていたけど、こんなに早く重賞を勝てるとは思わなかった」と驚きを隠せない様子だった。

　ここまでくれば、残る目標はただ一つ。「馬房からずっとイレ込んで、少量の水しか飲まなかった前走があの内容ですからね。今度は阪神なのでそのあたりは心配ないし、まだキ甲も抜けていない状態。これからどんどん強くなると思うので、本番が楽しみ」と、来るべき決戦へ意気込みは十分だ。

　開業11年目にして初の中央Ｇ?制覇がかかる大一番。ダート王決定戦にふさわしい豪華メンバーになりそうだが、驚異の成長力と勢いがある今なら難なく大仕事をやってのける気がしてならない。

（栗東想定班・森岡健一郎）

2009年11月14日