森元要輔

来年も勢司厩舎から目が離せない！

　勝負事には必ず潮の満ち引きがある。馬券を買う立場としては、勢いに乗っている人馬をいかに早く見つけるかも、重要なファクターだろう。

　今年、美浦で活躍が目立ったのが勢司厩舎だ。２０日には、２鞍組まれていた中山の新馬戦を連勝。デビューさせた馬をほとんど勝ち上がらせていると言っても過言ではない。

　好調の秘けつを師に聞くと、「しっかり仕上げてからでないとデビューさせないが、今年は体質が強い馬が多く、この段階で例年以上の成果を挙げることができています」と笑顔で語ってくれた。

　ただ、当の本人は勝ち星にはそれほどこだわっていない様子で、「遊びじゃなくプロだから、稼がなくてはいけないのは確かだけど、あまり数字のことは言わないでくれよ」とひと言。サラブレッドをより理解するために心理学の本を読みあさり、馬っけの原因まで追究する師の理想はまだまだ上にあるようだ。

　もともと馬を大事に使うことで定評のある厩舎だけに、今後の伸びしろも十分に残している。来年のクラシック戦線では台風の目になりうる可能性が高く、個人的にも注目していきたい。

（美浦時計班・森元要輔）

2009年12月20日