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コラム

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今年はどんなドラマが

 92年に中央競馬の担当記者になり、今年で18年を迎えた。つまり、有馬記念の取材をするのは18回目。いいことも悪いことも、すぐに忘れてしまうタチだ。もちろん、反省はする。念を込めて予想の復習をすることで、予習も並行できる。ただ自分との闘いとは別に、すぐに切り替えることは大切なことだと思っているのだ。

 仕事の視点で実戦を目の当たりにするから、感情を込めて“楽しむ”という感覚にはならない。発馬はどうか。折り合っているか。コーナーの曲がり方、手前の変え方。ステッキへの反応や、フォームの変化など、最初から最後まで、冷静に見つめる。全体としてのレース像。そして、1頭1頭の動きを察知する。背筋を伸ばしたまま終わるから、本命馬が勝っても喜びの感情とは少し違うものがわく。仕事として接する競馬は、それでいいと思っている。そして予想も、そういう境地で積み重ねてきた。

 だからかもしれない。有馬記念を振り返った時に、まだ“ファン”の時代の記憶が真っ先に思い浮かんだ。初めて取った万馬券が、87年の暮れのグランプリだったのだ。1着メジロデュレン、2着ユーワジェームス。枠連の時代である。人気を背負うメリーナイスが発馬直後に落馬した瞬間、「まだカシマウイングがおる!」と叫んだ隣のおじさん。途端に周囲から「おぉーっ!」という雄たけびが沸き上がり、絶妙の一体感ができ上がった。あの感覚、独特だったなあ。今年はどんなドラマが、待っているのだろうか。

(関西デイリー・藤村和彦)

2009年12月22日