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引退した河北通の次章を温かく見守りたい。

 昨年12月20日、河北通騎手が引退した。JRA通算205勝。同期の四位、藤田のような派手さはなかったが、ケガと戦いながら積み上げた1勝、1勝にまた違った重みを感じる。「競馬学校で左肩を脱臼したんだ。17歳だった。あの時に休んでいれば、完全に治ったのかもしれない。もっとジョッキーを長くやれたのかもしれない。でも、授業に遅れたくなかったし、馬に多く乗りたかったからね」と河北は当時を振り返る。

 そのあと、馬の下敷きとなったことをきっかけに、脱臼癖がさらに悪化した。「くしゃみをしても外れるほどだった」と苦笑いするほど肩の状態は悪かったという。08年10月にネジを埋める手術を行い、09年の1月に復帰。ただ、勝ち鞍を挙げることはできなかった。「半年ほどだったけど、思うように乗れた。それに減量もしんどかったから」と騎手生活に別れを告げた理由を説明した。

 一番の思い出を「メルシーステージやね」と即答した。ただ、レースはデビュー4年目で悲願の重賞初Vを決めたアーリントンCではない。「メルシーのダービー。雰囲気が違った。17着だったけど、一番のうれしい思い出」。夢だったダービーの舞台に立てたことを誇らしげに話す。

 「気楽になった」。19年間のジョッキー生活を終えた感想は素直に気持ちを映している。現在は小野厩舎の助手として第二の競馬人生を歩んでいるが「この先は調教師の試験も受けようと思う」と話した。第三の人生も待ち遠しい。記者と同じ72年生まれの37歳。河北通の次章を温かく見守りたい。

(関西デイリー・井上達也)

2010年01月19日