感慨深かった松山康師との再会

　人事異動により、先々週からデイリー本紙の予想スタッフに加わっている。僚紙・馬三郎や東西本紙での内勤を経て６年ぶりの現場復帰。笑顔で迎えてくれた関係者の皆さんには、この場を借りてお礼を申し上げます。

　久々の美浦取材で特に感慨深かったのは松山康師との再会。わたしの６年間の“空白”を簡単に説明すると「おお、そうか、うんうん」と目を細めてうなずいてくれた。

　７６年に厩舎を開業して以来、中央競馬で積み上げた勝利は９１８（２４日終了時点）。通算１０００勝の大台を視界にとらえ、そして藤沢和師とともに「競馬の殿堂入り」を狙える数少ないトレーナーのひとりでもある。

　調教師の殿堂入りの選考基準は?ＪＲＡ通算勝利数が１０００勝以上であり、?管理馬が旧八大競走（皐月賞、ダービー、菊花賞、桜花賞、オークス、天皇賞・春、天皇賞・秋、有馬記念）のうちダービーを含む５種類以上の競走で延べ１０勝以上を記録していること。乗り越えるべきハードルは相当高い。また、４３年生まれの師に残された時間は決して多くない。

　それでも、名将にはたぐいまれな底力がある。ダービー２勝の実績もその証しだろう。馬に対する真摯（しんし）な姿勢と、妥協を許さない仕事ぶり。ここ一番でのすごみのある仕上げにまた、トレセンや競馬場で幾度となく接したい。

（関東デイリー・野田口　晃）

2010年01月26日