森岡健一郎

落馬負傷を機に成長した関西のホープ

　「中京の新馬戦、見ていただけましたか？返し馬でモサモサしてどうかなと思ったけど、終わってみればあの内容。ボクの言った通りだったでしょ」と、水曜朝の忙しい時間帯にもかかわらず、北村友騎手はちゃめっ気たっぷりに話していた。

　今年でデビュー４年目。昨年は念願のダービーに初騎乗。ミヤビランベリで重賞２勝を挙げるなど、前半から快調に白星を量産。順風満帆で北の大地へ乗り込んだが、第１回札幌開催でまさかの落馬。左肩を負傷して、戦線離脱を余儀なくされた。

　「競馬から少し離れてしまったけど、別に焦りはなかったですね。むしろ時間ができたことで、弱かった下半身をしっかり鍛えられたし、以前より体も柔らかくなりましたから。今考えれば、いい休養になったと思います」と当時を振り返ってくれた。

　懸命なリハビリのかいあって、12月の中京開催で見事に復帰。「左肩にプレートが入っていて、すごい違和感がある」と言いながらも翌週にはきっちり勝利を収め、今年もすでに５勝をマーク。好調ぶりをアピールしている。

　年内にはプレートを取り除く手術を考えているらしいが、それも３週間ほどの休養期間があれば復帰できるとのこと。落馬負傷を機に心身ともにひと回り成長した関西期待のホープ。フルに戦えなかった昨年の悔しさをバネに、今年はさらなる飛躍が期待できそうだ。

（栗東想定班・森岡健一郎）

2010年01月30日