森元要輔

『スーパー残暑』でも元気一杯

　さまざまなところで報じられている通り、今週の美浦の馬場開門時間は午前５時。本来なら日の出の時間を考慮して、中山開催開幕と同時に６時になるはずだったのが、『スーパー残暑』の影響で、例外的に今週だけ１時間繰り上げとなった。我が社のベテラン記者陣が「こんなの記憶にない」と一様に驚いているように、まさしく超異例の事態。今年の暑さを象徴する出来事と言えるだろう。

　振り返ってみれば今夏は、調教パターンも大幅に変化していた。通常は“ハロー明け”と呼ばれる、馬場のいい時間帯に馬が殺到するものだが、今年はあまり関係なく追い切りが行われ、最も馬場状態が悪いハローがけ前にラッシュが来ることも少なくなかった。これも記者が美浦に来てから初めての経験。かなりの陣営が、何より暑さに神経質になっていたことがよく分かる。

　それだけに、まだしばらくの間は、体調面の見極めが能力比較以上に重要かもしれない。その観点から今週のお薦めは日曜・中山８Ｒのティアレ。中間は活気のある動きを連発しており、酷暑の中でも元気が有り余っている印象。今回は昇級戦になるが、極端な外枠さえ引かなければ、まず好勝負になるはずだ。同馬が夏に強いとされる、芦毛で牝馬なのはきっと偶然ではない。

（美浦時計班・森元要輔）

2010年09月10日