私の夢が走ります

　“あなたの、そして私の夢が走っています”。宝塚記念といえば、競馬実況の名アナウンサー・杉本清さんのこのフレーズだろう。ということで、ここではある年の“私の夢”をご紹介したい。

　人生初の宝塚記念ライブ観戦となったこの日、多くの競馬ファンが１番人気の快速馬に期待するなか、当時中学生の筆者の目に映るのは「白、緑一本輪、袖緑縦縞」の勝負服をまとった河内騎手（現調教師）騎乗の鹿毛馬のみ。天皇賞・春で悲願のＧ?制覇を成し遂げて、“メジロ牧場に春！”という杉本さんの名実況を生み出したメジロブライトが98年の“私の夢”だった。しかし、発走直前に悪夢が…。

　何とゲート内で立ち上がり、馬体検査の後、外枠発走の処置。さらにレースでは４角で前の馬に触れてつまずく不利があり、１着のサイレンススズカから１秒３差の11着に敗退。15年たった今でも、この日のことをよく覚えている。それでは最後に、今年の“私の夢”を発表。ブライトと同じく天皇賞・春でＧ?ウイナーになった、フェノーメノに期待します。

（編集部・掛札慎二）

2013年06月17日