北海道牧場紀行

下河辺牧場編?Ｐａｒｔ??

　優秀な血統背景や産駒実績のある下河辺牧場の繁殖牝馬の中でも、将来は名牝として名を残しているかもしれない繁殖牝馬がカーラパワーである。

祖母のToute Cyの娘に当たるFloripedesはＧ?・リュテス賞に勝利。フランスの最優秀３歳牝馬にも輝いているが、Ｇ?・凱旋門賞をはじめとして、16戦11勝をあげたモンジューの母として知られている。

このスタミナと底力を秘めた血は、産駒であるターキー（牝４、田村康厩舎）の活躍にも遺憾なく発揮されている。

　３歳の秋に未勝利を脱出するとそこから３連勝を果たし、初めての重賞挑戦となったダイヤモンドＳでも穴人気を集めた。血統的にも古馬となってからの活躍が十分に見込めるだけに、牝馬重賞戦線をにぎわせてもらいたい。

ターキーだけでなく、これからもカーラパワーの産駒からは目が離せそうにないが、今年の春に下河辺牧場に誕生した産駒も、高い将来性を血統だけでなく馬体からも感じさせる。

カーラパワーの07（牡、父フジキセキ、３月26日生まれ）は、数々の名馬の成長の過程を見てきた下河辺行雄さんも、「一流馬独特の雰囲気があって、将来は大きな仕事をしてくれそうな気がします」と話す期待の１頭である。

「放牧地での姿を見ていても、どこかひかれるものがありますね。それでいながら大人びているところもあって、お客さんが来たときに馬見せをすると、まず無駄なことをしない。まだ子供なのに、もう大人とでもいうのか、何をすべきか分かっているのでしょう」と下河辺氏。

　まとまりのある筋肉質の馬体は、父フジキセキが出ている気がするが、母系の血統背景からしても距離の融通は利くはず。むしろ、人間のやることを察知できるこの頭の良さで、クラシック制覇の期待にも応えてくれるはずだ。

2007年08月05日