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北海道牧場紀行

トウショウ牧場編?Part??

 マザートウショウはトウショウ牧場の志村吉男場長にとって、思い出深い馬だという。「牧場から生まれた生産馬の成績が思わしくなかった時期に、重賞を3勝(函館3歳S、3歳牝馬S、クイーンC)してくれました。G?こそ勝つことはできませんでしたが、その活躍を見て、とても勇気づけられました」と志村場長は感慨深げに語る。
 マザートウショウは日本競馬に数々の活躍馬を送り出してきた、ソシアルバターフライの出身でもある。母のエイティトウショウは中山記念連覇など21戦9勝。おじに中山記念を優勝し、マイルCSで2着の成績を
 残したトウショウペガサスや、マイル重賞を2勝したトウショウマリオがおり、芝短中距離において優れた産駒を送り出してきた。
 マザートウショウも繁殖入り後は、芝、ダートを問わず活躍したトウショウトリガーを輩出しているものの、重賞級の馬はまだ誕生させていない。しかし今年誕生した牝馬には、母をほうふつとさせるような活躍を期待しても良さそうだ。
 マザートウショウの07(牝、父アグネスタキオン、4月23日生まれ)は、将来的にはこのソシアルバターフライ系を後世に伝えていく繁殖牝馬としての期待も持たれている。
 「現役時に頑張ってくれたという思いがあるからこそ、アグネスタキオンを配合したといういきさつもあります。これまでの産駒は母の特徴が出る傾向にありましたが、この馬はアグネスタキオンが出ている印象がありますね」と志村場長は期待を込める。
 マザートウショウの07は、どことなくきりっとした印象があり、何をするにでも反応が速く、写真で動きを押さえるのに苦労した。それだけ敏しょう性が父、母から遺伝されているのだろう。この血統ならではのスピード能力が発揮される2年後が、今から楽しみになってくる。

2007年10月27日