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エアグルーヴ10が自粛ムードを打破

 やはりこのセリ市だけは別世界だった。11、12日に北海道苫小牧のノーザンホースパークで開催された「セレクトセール2011」は、2日間トータルで91億7320万円を売り上げ、昨年を17億円近くも上回った。馬主層にとって、経済面で震災の影響を大きく受けていることが予想されていたし、それ以上にこの時期に高額なサラブレッドを購入することへの自粛ムードがあり、高額馬が目玉のセレクトセールにとっては極めて厳しい状況だった。

 セール初日の開始当初は競り合いがほとんど見られず暗雲が漂っていたが、それを一気に払しょくしたのが51頭目に登場した「エアグルーヴ10」(牝、父ディープインパクト)だった。8000万円のお台から1000万円単位で価格が跳ね上がり、ついに1歳史上最高価格の3億6000万円に到達。この驚愕価格がセリ会場の「自粛ムード」を取っ払い、その後は例年同様の活発な競り合いが展開された。

 これはセレクトセールの中心を成す社台グループの熱意と、主催者・日本競走馬協会の作戦勝ちだったとも言える。確かに3億6000万円は高額だが「エアグルーヴ10」のような馬は価格が付けられない存在で、本来ならセリ市に上場される馬ではなかった。

 これまでも牡馬なら超良血馬が上場されることはあったが、上質の牝馬は牧場にとっては宝物であり、手放したくないのが本音。エアグルーヴはノーザンファーム550頭の繁殖牝馬の中でもビワハイジとともに別格の存在。しかも父がディープインパクトなのだから、たとえ未出走で繁殖入りしたとしてもその産駒は最低でも毎年5000万円以上で売れる計算が成り立つ。3億6000万円は7年間でペイできる金額で、もしオープンまて出世すれば1頭1億円以上が確実だ。

 門外不出のお宝を放出したノーザンファーム、そしてその超目玉を51番という序盤に配置してムードを変えた主催者。熱意と頭脳。困難を乗り切るためには何をしなくてはならないのか、そのお手本を見せてくれたようなセールだった

2011年07月15日