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日本競馬を変える型破りの3冠馬
オルフェーヴルが史上7頭目の牡馬3冠馬となった。3冠達成をリアルタイムで見たのは5頭目。レース後は、通常のG?レースでは味わえない独特な高揚感に包まれた。ミスターシービーはタブーの3角の下りで加速して先頭に立つ異色のレース。シンボリルドルフは3角でズルズル後退。ナリタブライアンは夏負けしてトライアルで伏兵馬に敗退。ディープインパクトでさえも1周目ゴール板をゴールと勘違いしてスパートしかけるレースで、それぞれドキドキされられた。だがオルフェーヴルはレース前も、レース中も、全く不安を感じさせないまま大仕事をやってのけた。感服するほかない。
生まれながらのスターだったわけではない。ドリームジャーニーの全弟だが、兄が朝日杯FSを勝った翌春の種付けだったにもかかわらず、母オリエンタルアートの交配相手が当初はディープインパクトだった(3回不受胎後、ステイゴールドに変更)のは、かなり小柄だったドリームジャーニーの将来性に確信が持てなかったことを示している。遅生まれだったこともあり牧場でも目立った存在ではなく、サンデーレーシングでの募集価格6000万円(40口)は、G?3勝馬の全弟(募集当時は有馬記念制覇前)としては高い価格ではなかった。ノーザンファーム・秋田博章場長もデビュー前に「ドリームジャーニーよりはひと回り大きいけれど、この血統は計算通りには走ってくれない。未知数としか言いようがない馬」との評価だった。
そんな境遇からの大出世は、父ステイゴールドや母父メジロマックイーンより、ステイゴールドの叔父で同じ白老ファーム生産の栗毛馬、先日死んだサッカーボーイに似ている。いずれ種牡馬入りするオルフェーヴルは3冠馬の称号を得ているのだから、種牡馬としても大成功したサッカーボーイよりはるかに恵まれたスタートを切れるはず。日本の種牡馬地図を塗り替える存在になってくれるに違いない。
2011年10月28日
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