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無限の可能性を秘めたニューヒロイン
デビュー2戦目で阪神JFを制したジョワドヴィーヴルの圧倒的な存在感には驚かされた。馬体重は出走馬中最軽量の418キロだったが、直線豪快に抜け出してきた力強さは、小柄さを全く感じさせないものだった。
5月13日生まれという点も異色。出走馬中、最も遅生まれだったことはもちろん、4月生まれですらイチオクノホシ(2日)、レディーメグネイト(17日)の2頭だけ。何と10頭が1、2月生まれで占められていたように、この時期は圧倒的に早生まれが有利。生まれが遅ければ育成の開始も遅れるし、体が小さければトレーニングメニューも軽くなるのが常だが、レースキャリアを含め、すべてのハードルを克服して2歳女王に輝いた。
母ビワハイジ、姉ブエナビスタという血統から、生まれた時から大きな注目はされていた。だが今年4月の産地馬体検査の際、ノーザンファームの秋田博章場長は「さすがに良血馬らしい雰囲気はあるし、本当にいい顔をしている。ただ、まだ幼い。同時期のブエナビスタと比べても、すべての面でまだ未熟」と語っていた。父がディープインパクトだけに小柄な馬体になることはある程度予想されていたことだったが、馬体は線が細く、気性も他のディープ産駒とは違って闘争心を表に出さない。美少女ルックス以外は、他の同期馬と並ぶと見劣りしていたのは確かだった。
だが調教が進むにつれて明らかに変わってきた。体重こそ増えていないが、ゴムまりのように弾むフットワークを見せ、気性面もオンとオフがはっきりしてきた。もちろん5月生まれなので今後の成長が大いに期待できるし、小柄で脚元への負担が小さく、期待されながら故障で引退した兄アドマイヤテンカ、姉アーデルハイト(ともに父アグネスタキオン)のような心配も少ない。
ブエナビスタの引退に合わせたかのように登場した新・女傑は、その名の通り「生きる喜び」をファンに感じさせてくれる活躍をしそうだ。
2011年12月16日
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