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日高の夢を背負うゴールドシップ

 ゴールドシップの皐月賞は上半期で最も印象に残るレース。社台グループのディープインパクト、アグネスタキオン産駒が荒れた内を嫌って大外を通る中、日高産のステイゴールド産駒ゴールドシップ1頭だけが雑草魂を発揮して最内を通って完勝。内田博騎手の会心の騎乗でもあったが、昨年のオルフェーヴルといいステイゴールド産駒はディープインバクト産駒がいると一層闘志に火がつく印象を受ける。

 生産した日高町・出口牧場は、1963年から本格的なサラブレッド生産を始め、50年目で初G?制覇を果たした。繁殖牝馬10頭、年間生産は5?6頭の家族経営牧場だが、出口俊一社長は皐月賞後、事あるごとに「うちの馬が活躍することで日高全体が元気になってくれれば」と、社台グループに席巻され続けている状況に強い危機感を表してきた。

 小さな牧場がガリバー牧場相手に立ち向かうためには、地道な努力と工夫しかない。ゴールドシップの母系は1931年に輸入された星旗が祖。一族からの活躍馬は重賞5勝のスイートフラッグが代表格で決して栄えている牝系ではないが、出口牧場はこだわりを持ってゴールドシップの祖母トクノエイティーを導入し、この牝系を守ってきた。

 母ポイントフラッグとステイゴールドとの交配は、時期的にもメジロマックイーン牝馬との“黄金配合”を意識したわけではない。現役時代に534キロを記録した巨漢だった母産駒は、大きく出過ぎて脚部不安を起こすことが多かったため、小柄なステイゴールドと交配したのだった。結果としてゴールドシップも大柄に出たが、脚元は丈夫に育った。黄金配合の魅力を感覚でつかんでいたのだ。

 ダービーは95年タヤスツヨシ以降の17年間で社台グループ生産馬が11勝、在は3連勝中と圧倒的な強さを誇っている。出口社長の“打倒・社台”の雑草魂がダービーでもサク裂するか、大いに注目される。

2012年05月25日