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関係者の評価の重要性を証明したキズナ
マイナー血統馬の活躍が目立っていた今年のクラシック戦線だが、ここにきてようやくPOGの超人気馬が本領を発揮してきた。毎日杯を楽勝したキズナがその筆頭だ。
父ディープインパクト、母キャットクイル。半姉はファレノプシス、いとこにナリタブライアン、ビワハヤヒデがいる超良血で、480キロ台で均整の取れたピカピカの青鹿毛の馬体は、昨春からPOG取材の記者の間で話題になっていた。
唯一の不安点が、母キャットクイルが20歳時に産んだ最後の産駒だったこと。高齢牝馬の産駒は体質が弱いケースがある。だが、その心配も本格的な調教を始めると一掃された。育成を担当した大山ヒルズの調教担当者は「坂路を走る姿はまるで宙を飛んでいるよう。調教のペースを上げても全くへこたれることがなく、この世代では断トツの存在」と自信に満ちあふれたコメントを発していた。現在、負傷休養中の佐藤哲三騎手も、大山ヒルズまで乗りに行っていたほどほれ込んでいた。
6月に入厩すると佐々木師は「とにかく体が柔らかい。オーナーもダービーを意識していらっしゃる」とこれまた絶賛の嵐。これらの発言もあって、どのPOGサークルでも、社台グループ勢のトップ級にも劣らない人気を誇っていた。弥生賞を包まれて取りこぼしたことからローテーションが厳しくなり、皐月賞を回避して京都新聞杯からダービーへ向かうことが発表されたが、ダービーでは皐月賞馬を上回る人気になりそうだ。
キズナは血統と関係者のコメントが一致した例だが、同程度の良血馬はほかにも多数いる。やはり関係者からの声は、POGの指名馬選択でかなり重要な意味を持つことが示された。血統は目立たないが、ロゴタイプも社台ファームでNo.1の仕上がりと言われていた馬。関係者のコメントを侮ってはいけない。
2013年03月29日
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